ミッドガルドは、17世紀ぐらいの技術、社会通念などを持っている。
都市には市民階級が生まれ、人口100万人規模の巨大都市が世界の中にはいくつか存在している。
ミッドガルド世界と源世界で大きく異なるのは魔法、魔物の存在と、源世界の一般的な人間族とは異なる外見的特徴を持った異種族としてのヒトの存在である。
源世界では空想の産物である魔法が実在する。
炎を出すといった分かりやすい現象から、幻を出す、眠らせる、空間を歪める等、原理のわからない不可思議な超常現象を起こすことができる。
技術として確立されており、正しく学べば源世界の人間であっても魔法は行使できるが、その能力は生まれ持った素質に左右されるらしい。
魔物は通常の生物と異なり、ヒトに対して憎悪を持っており、ヒトを殺すために活動している。
魔物はその生態も特殊で、倒されるとその肉体は空間に解けるように消えて、後には魔晶片というクリスタル状の欠片が残る。
魔物の存在により、ミッドガルドでは、人類の生存域はそれほど大きくない。
文明化も進んでおらず、町や人里を離れれば力がすべての無法地帯だ。
旅をする人の危険は多く、価値あるものを運ぶ隊商は人を集めてキャラバンを作り、護衛として傭兵を雇うことが多い。
魔物によって人類はその生存を常に脅かされており、魔物対策として人里には、結界が張られ、兵士や傭兵が常駐していることが多い。
しかし、何かのトラブルで、結界が破壊されるとどこからともなく大量の魔物が集まり、町を全滅させるという陰惨な事故がたびたび起こっている。
ミッドガルドは人間種族が大半を占めるが、山間部にはドワーフ、森林にはエルフといった源世界では同じく空想の存在とされている異人種も存在する。
また人に混じって獣のような身体形状を持つ獣人や、大振りでふさふさした体毛に覆われた耳を持つ小柄な種族である草人、角と鱗のような硬質な皮膚を持った角人等も生活している。
かつては人間と異種族の間で戦争を行なうこともあったが、現在では共存が全世界的に受け入れられている。
もちろん、特定の種族が多い町や支配層が特定の種族などということはある。
なお、ヒトと記した場合は、異種族を含む。人間族あるいは人間と記した場合は異種族を含めない。
銃器や大砲等の火砲は存在している等、概ね17世紀ぐらいの技術を持っているが。
魔法が存在するためだろうか、動力としては蒸気や電気ではなく魔晶片が利用され、魔晶技術を元に発展を遂げている。
魔晶片は大容量の魔力バッテリーであり、充電こそできないものの魔物から無限に生成されるためだ。
魔晶片を使い、魔晶技術による装置を使えば容易にエネルギーを取り出し利用することができる。
「空間を歪め、多くの荷物を持てるカバン」「水源なしで利用できる水洗トイレ」等、源世界よりも利便性が高いものまで存在している。
エルフやドワーフ、そして魔法や魔物が源世界の空想と似通っているのは、虚空能力を持つ人間がミッドガルド世界を垣間見た影響を受けているのかもしれない。
あるいは、過去の虚空士達がミッドガルド世界に渡った「実体験」だったのかもしれない。