大陸諸国が共同で設立した国家間組織。開拓者の支援、相互補助を目的とした組織である。名目上ではあるが、アルビオンに本部があり、最高意思決定機関である開拓者ギルド評議会が存在する。
評議員は開拓者ギルドのスポンサーであり、さまざまな国の名士がその名を連ねている。評議会議長はギルド設立に尽力したアルドレッド卿が務めている。
ギルドのルンデン支部が事実上の本部機能を有している。現在は、フロンティアポイントを中心に開拓を進めている。
50年ほど前に、アルビオン共和国の呼びかけで、各国は共同でのハイブラゼル大陸の開拓を計画する。
島国で、航海国家であったアルビオンは、ハイブラゼルまでの航路を開くことに成功した。
さっそく大陸への植民計画が立てられたが、この計画は失敗した。
本国からの距離もあるが、最大の問題は魔物であった。
大陸が魔物に支配された地という伝説は本当だったのだ。
上陸した入植者たちは、昼夜を問わず襲い来る魔物への対策に悩まされることとなったのだ。
入植失敗の報告を受けたアルビオンは、第二次入植計画の検討に入った。だが、計画における高すぎるリスクに計画から撤退するスポンサーが相継ぎ、主に資金面で、計画の続行は危ぶまれた。
アルビオンの海軍大臣アルドレッド卿は、権益の独占を諦め、他国と共同での植民と開拓という選択肢をとった。
アルドレッド卿は、ハイブラゼル大陸の開拓を一括して開拓者ギルドに委ねた。
開拓者ギルドという第三者機関を成立させることで、ある意味で、出資者の立場を等しいものとすることで、逆に他国にイニシアチブを取られぬようにしたのだ。
アイアンシールド王国のドワーフ、エルフたち、西ルーマ帝国とその衛星国家など多くの国家、集団の参加を受けて開拓者ギルドは成立した。
開拓者ギルドは管理部、生産部、開拓部の部門に分かれている。
ここでは、ルンデン市の開拓者ギルド本部を例にその組織構成を解説する。
なお、同じ開拓者ギルドでも、一部の組織しか存在しないということもある。たとえば、クエストの授受だけ可能、武具の取引き、宿屋などのサービスだけ受けられるというような支部の形もある。
主に開拓者の活動を管理し、支援する部門。
開拓者の登録受け付け、クエストの受付、発行、報酬の受け渡しなどを担当する。
クエストとは、開拓者が請け負う仕事である。
特定の魔物を倒す、素材を入手する、指定された目標や目的を達成するなどさまざまなものがある。
開拓者の多くはこのクエスト達成により収入を得ている。クエストの受付と発行は開拓者ギルドの重要な仕事である。
開拓者に開拓のための技術支援、開拓地への開拓者(農場経営や酪農といった農業従事者)の斡旋を主に担当しており、開拓地を生産地として発展させるための部門。
開拓者向けの酒場、宿屋、風呂屋、床屋、武具屋などの施設運営も担当している。
開拓者に関するさまざまなことを担当する部署。主に結界炉の管理と開拓地の行政を担当する。
役人ではないが、街の人々は開拓部の人間をお役人と呼ぶ。
虚空士の存在はミッドガルド世界でも一般的には秘匿されているが、開拓者ギルドと虚空士ギルドの両者は密かに協力を行っている。
かつての開拓者ギルドの危機で虚空士が重要な役割を果たしたことで信頼を得たようだ。
現在は虚空士の開拓者としての受け入れとクエストの斡旋を行うことで、ミッドガルド世界での支援を請け負っている。